2×4とは
面構造による耐震性などの性能の高さに加え、設計・生産の品質が確保しやすく、環境にやさしい木の住まいです。
木造であるツーバイフォー住宅は、日本の気候環境にもマッチ。37年余、安全で快適な住まいとして日本でも多くの皆様に愛され、ここ数年、年間約10万戸近くが建設され、既に全国で200万戸が建っています。
歴史が証明する工法発展
必要に迫られた住宅の生産性改善により生まれたプラットフォーム工法
プラットフォーム工法への進化
枠組壁工法は、当初は、わが国の軸組構法に類似したブレースド・フレーミング工法(隅柱は通し柱とし、外壁には筋かいを用いる)から出発し、水力の機械による規格製材の大量供給、切断釘の登場によるバルーン・フレーミング工法(たて枠をすべて通し柱とする)の普及を経て、現在のプラットフォーム工法の開発にいたっています。別名、ウッドフレーム工法とも呼ばれています。
この間、石膏ボードの発明、構造用合板の開発、合板ダイアフラム理論の研究等があり、これらを背景としてプラットフォーム工法が完成され、この工法が1950年代以降、北米全土に急速に普及しました。
この間、石膏ボードの発明、構造用合板の開発、合板ダイアフラム理論の研究等があり、これらを背景としてプラットフォーム工法が完成され、この工法が1950年代以降、北米全土に急速に普及しました。
世界に広がる木造住宅のスタンダード
わが国ではプラットフォーム工法の前身であるバルーン・フレーミング工法が明治初期に北海道に伝わり、札幌の時計台や農業施設が建設され、住宅としては明治末期から関東大震災直後の大正末期にアメリカから部材一式や設計図が輸入されるようになりました。戦後、昭和40年代に入って個別企業が大量に商品として住宅を供給するようになり、昭和49年には技術基準が定められ枠組壁工法としてオープン化されました。そのころより2インチ×4インチの規格材を多く使用されることからツーバイフォー工法(和製英語)と呼ばれ、今やアメリカ、カナダ等では、戸建住宅のほとんどがこの工法によっているほか、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、韓国、中国でも採用されており、全世界で年間200~250万戸が供給されていると推定されています。
地震や台風に強い面構造
ツーバイフォー住宅の優れた特徴は、すべて「面構造」が基本となっています。
北米生まれツーバイフォー住宅では構造用製材でつくった枠組みに構造用合板を張り付けた「パネル」で床・壁・屋根を構成して建物を支えます。軸組工法は「柱」や「梁」などを点で結合するのに対し、ツーバイフォー工法は「面と線」により6面体で、建物を支えているわけです。
強固なモノコック構造
「面構造」を基本にしたツーバイフォー住宅は、6面体ができあがると、家全体が強いモノコック構造(一体構造)となります。モノコック構造はもともと、極限の強度が求められる航空機用に開発されたもの。スペースシャトル、新幹線、F1レーシングカーにも採用されているほど、きわめて強固な構造です。
モノコック構造のツーバイフォー住宅は、地震や台風などの力を建物全体で受け止め、荷重を一点に集中させることなく全体に分散してしまうので、外力に対して抜群の強さを発揮します。
モノコック構造のツーバイフォー住宅は、地震や台風などの力を建物全体で受け止め、荷重を一点に集中させることなく全体に分散してしまうので、外力に対して抜群の強さを発揮します。
規格材と設計・施工のマニュアル化
分かりやすく規格化された構造用製材
ツーバイフォー工法では、主に6種類の規格化された枠組壁工法構造用製材を使用します。それぞれの部材は、日本農林(JAS)規格によって厳しく品質がチェックされ、使用する箇所ごとに製材品の種別なども定められています。
また、国土交通大臣が認定した海外の規格材も利用可能です。
最近では、北米で開発された木質複合軸材料のひとつである木質I型ビームや木質断熱複合パネルなども利用されています。
また、国土交通大臣が認定した海外の規格材も利用可能です。
最近では、北米で開発された木質複合軸材料のひとつである木質I型ビームや木質断熱複合パネルなども利用されています。
構造用部資材の使用部位一覧表はこちらへ (18KB) |
くぎや接合金具もシステマチックに専用化
ツーバイフォー工法では、接合部に専用のくぎや接合金物(Cマーク金物など)を使用します。
くぎはサイズ別にカラーリングが施されています。これは一度打ち込んでしまうと確認の難しいくぎを、くぎ頭の色により確実にチェックできるように考えられたものです。
最近では、メッキ処理されたくぎが規格に加えられ、建物の耐久性向上につながってきています。
接合金物は接合部に発生する応力を有効に伝達するために、品質及び性能が明らかになっているものを使います。
くぎはサイズ別にカラーリングが施されています。これは一度打ち込んでしまうと確認の難しいくぎを、くぎ頭の色により確実にチェックできるように考えられたものです。
最近では、メッキ処理されたくぎが規格に加えられ、建物の耐久性向上につながってきています。
接合金物は接合部に発生する応力を有効に伝達するために、品質及び性能が明らかになっているものを使います。
合理化されたプラットフォーム工法
ツーバイフォーの「建て方」は、床の上で作業が出来るため、安全で合理的な施工となっており、最近ではプラットフォームの特性を生かしたパネル施工により工期の短縮化が実現します。
足場は撮影時期の関係で現行の施行規則(安全衛生)と異なります。
戸建住宅の建築工程
写真提供:三菱地所ホーム株式会社
パネル施工による工期短縮
建設場所の敷地条件により、最近、あらかじめ工場(加工場)で作成した壁 パネルを現場でクレーンを使用して建て込むケースが多くなってきました。これにより工期の短縮化が実現し、現場での端材(ゴミ)を減少させることが可能となります。
写真提供:三井ホーム株式会社
ツーバイフォーは人気の高まる木の住まい
四季のある日本は、古来より木の住まいに慣れ親しんできました。
なぜ木造住宅が主流であるのか。そこには理由があるのです。
なぜ木造住宅が主流であるのか。そこには理由があるのです。
日本の気候・環境に定着したツーバイフォー住宅
日本のすまいは、これまでは夏をむねとした開放的なつくりが主流でしたが、南北に長い日本列島、特に北日本の寒冷地では、そのつくり方を採用したのでは快適性が維持できません。
更に、都市の市街地ではコートハウスのように内側に空間を囲い込んだ設計も必要となります。ツーバイフォーは日本全国、多様な自然条件、立地のもとでも対応できる壁式の木の住まいで、四季のある日本の気候にも適している工法なのです。
更に、都市の市街地ではコートハウスのように内側に空間を囲い込んだ設計も必要となります。ツーバイフォーは日本全国、多様な自然条件、立地のもとでも対応できる壁式の木の住まいで、四季のある日本の気候にも適している工法なのです。